認定NPO法人 難民支援協会(JAR)とのコラボイベント

今、日本でも外国ルーツの方が増えてきており、図書館でも、そのような方々へのサービスが今後ますます必要になってきます。

10月25日(水)18時30分~21時「移民や難民について考えよう~図書館でできるサービスとは?」フォーラムでは、日本の難民受け入れの現状と、受け入れの進んだスウェーデンの図書館でのさまざまなサービスについて紹介します。

 

昨年末、日本に暮らす外国人が初めて300万人を超えました。スウェーデンとは規模が違うとはいえ、すでに数十年以上暮らしている人、その子どもたち、留学や働きに来た人など、さまざまな背景の人たちが日本で暮らしています。その中には、難民として逃れてきた人たちもいます。難民支援協会からは、日本がこれまでどう難民を受け入れてきた/受け入れてこなかったのか、その道のりと課題をお話します。

 

対するスウェーデンは、移民や難民を広く積極的に受け入れてきました。スウェーデンの図書館では、移民や難民の人たちが早くスウェーデン語を習得し、社会に溶け込めるよう支援しています。

 

図書館には、アラビア語、ソマリア語、クルド語など、さまざまな言語の本がそろいます。

多言語の本のコーナー
多言語の棚のコーナー

 

また、「スウェーデンに来たばかりの人のための棚」というものもあり、やさしいスウェーデン語で書かれた本や新聞、生活情報の案内などが置かれています。

図書館は、資料の提供だけでなく、移民や難民の人たちがスウェーデン社会に溶け込みやすくなるよう、人とのつながりの場も多く提供しています。その一つが、言語カフェです。お茶やお菓子を囲み、みんなでおしゃべりしながらスウェーデン語を学びます。コロナ以降は、オンラインでも行われるようになりました。

言語カフェオンライン
言語カフェ案内チラシ

 

この言語カフェの取り組みを積極的に行ってきたのが、スウェーデンのHultsfred図書館です。

10月25日(水)のフォーラム「移民や難民について考えよう~図書館でできるサービスとは?」では、Hultsfred図書館とZOOMでつなぎ、取り組みの実際のようすについてお話を伺いました。

言語カフェオンラインの取り組みは、「外国ルーツの人たちが社会に溶け込めるよう手助けする」という目標のもと、Hultsfred図書館と、移民支援のボランティア団体とが共同で行っているそうです。

 

日本でも、各地でボランティアによる日本語教室が増えてきています。図書館も、日本語ボランティアの方々と連携し、たとえば、学習室の一角を日本語教室の場として提供したり、やさしい日本語で書かれた本の紹介をしたりするなどといったサービスを提供できるかもしれません。

 

一方、日本はスウェーデンほど、移民や難民の受け入れが進んでいないため、まずは多くの人に、移民や難民とはどのような人たちなのかということを知ってもらい、自分事として考えてもらう機会を作ることも重要です。

図書館はまさに、本を通して、広く、そのような機会を提供する役割を担えるのではないでしょうか。

 

最後に、移民や難民について知ることのできる本を少し紹介します。

『シッカとマルガレータ 戦争の国からきたきょうだい』 

 ウルフ・スタルク 作 スティーナ・ヴィルセン 絵 子どもの未来社

シッカとマルガレータ 戦争の国からきたきょうだい

戦争を逃れて、海の向こうの平和な国へとやってきた女の子と、その子を受け入れることになった一家の女の子との、友情の物語です。

 

『ようこそ!わたしの町へ 家をはなれてきた人たちと』

 ミアリー・ホワイトヒル 文 ジェニファー・ジャクソン 絵 子どもの未来社

ようこそ!わたしの町へ 家をはなれてきた人たちと

さまざまな理由であたらしい町にやってきた人たちを、どんなふうにむかえたらいいか、そのヒントを分かりやすく伝えてくれます。

 

『海を渡った故郷の味 新装版 Flavours Without Borders new edition』

 認定NPO法人 難民支援教会 編著 株式会社トゥーヴァージンズ

海を渡った故郷の味

日本に暮らす難民の方々から教えていただいた、各国のとっておきの料理のレシピを集めた本です。

 

 

 

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担当者
きただいえりこ

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